愛知県名古屋市出身です。（出生地は母の実家のある石川県です。「それなら、石川県出身じゃないの」と言われたこともありますが、出生地と出身地は別と解釈して、大学に入るまでずっと育ってきた名古屋市出身でとおすことにしています。）

　大学入学にあたり上京し、卒業後の平成2年に公認会計士試験合格、大手監査法人に就職するまで7年強、東京に住んでいました。その後、監査法人勤務のまま出身地である名古屋に転勤し、以来、ずっと名古屋に住んでいます。勤務していた監査法人には平成11年までの約10年間在籍し、会計監査や上場準備のお手伝いをしていました。その間、様々な会社の会計・決算はもちろん、予算制度、組織づくりなど、学ばせてもらったり、その会社にとってあるべき姿を自分なりに考えながら提案させていただいたりしました。

　監査法人勤務中から独立開業した現在に至るまで、ずっと会計に携わっていますが、その経験の中で会計人として気をつけなければならないと思っていることの一つが、会計処理だけを見るのではなく会計の前段階の業務全体を意識する必要があるということです。

　会計業務は会社の業務フローの最終段階に位置します。例えば売上を計上するという会計処理に至るまでは、受注、出荷、納品、請求などの処理が前段階にあります。受注のために見積書を作成したり、値引の金額を社内で調整したり品質や仕様で客先に提案したりということもすると思います。また、受注後も納期の調整や、品質管理、客先からの追加の要望などをこなしていって、最後にようやく売上計上という会計処理にたどりつきます。

　業種や会社の組織によってこのような業務の流れは異なりますが、サービス業であれ、外食産業であれ、どの企業も、一つの売上を計上するために多くの努力や工夫をし、多くの人手をかけます。仕入や経費についてももっといいサービスはないか、もっと安く購入できないかなど様々なことを検討した結果が仕入計上、経費計上という会計処理に最終的に表現されます。

　会計人は（私も含めて）そのような一連の業務の流れの中で、会計の部分だけしか見ないことが多いのです。しかし、本来は会計処理の背景にある様々な企業活動、事務処理活動そのものを理解した上で、会計面も検討すると、その企業の業務運営上の現状を把握したり、課題が見えてきたりすることがあります。そこで会計の向こう側にある業務処理まで意識するように気をつけています。